治療後のメインテナンスと予防プログラムへの移行
治療が完了した後は特に日常生活上の制限はありませんが、被せ物や入れば、インプラントを少しでも長持ちさせるためには、毎日のブラッシングをしっかりと行うことが大切です。
質の高い歯科治療は歯科院のレベルそのものですが、予防に対する取り組みも、それ以上に大切です。
検査によって得られた詳細なデータと治療結果をもとに予防プログラムを作成します。
数ヵ月〜半年に1回程度、クリニックでのメンテナンスを受け、口の中のクリーニングに加えて、レントゲン撮影検査なども行いながら歯ぐきの炎症や、噛み合わせの確認、チェックをします。
予防歯科の流れ
歯や歯肉の健康を保つための正しい知識、お手入れ方法を身につけていただくプログラムです
セルフケアは自己流になりやすいものです。
定期的にクリーニングを受けても、間違ったケアを続けていれば、むし歯や歯周病を防ぐことができません。お口トラブルの予防には、正しい知識を身につけ、セルフケアを的確におこなうことが大切です。
当クリニックでは、まずはお口の現状を患者さん自身にご理解いただき、そのうえで一人ひとりに合わせたセルフケアをご案内いたします。
予防歯科医療とは?
予防歯科医療とは、初期のリスク評価から、個々の患者さんに合わせた予防プログラムの立案、最小侵襲治療などを行い、定期的なメインテナンスに至るまでの流れです。
歯科医療の目的は、「早期発見して」「破壊部分を外科的に修復し」「欠損部分を補綴的に補う」というものから、できるだけ欠損の時期を遅らせるようにマネジメントしていく方向へと向かいつつあります。
もちろん、そのためには、医療者は多くの専門的な知識と的確な技術を保持し、それを適切に生かしながら患者さんが安心して継続的に来院できるような人間性やコミュニケーション能力が必要です。また、診療所は快適で清潔で、個人のプライバシーが守られた医療環境を備えていなければなりません。
それぞれの人がかかりやすい疾患や、その原因を、正確に審査、診断することから治療、予防の第一歩が始まります。年齢、歯の部位、細菌の種類と数、唾液や歯の性質など、いくつかの要素が重なった時に歯や歯周組織の病気にかかります。予防はその危険度に応じて、危険性のある部位や全身の状態などを知った上で行う事が効果的です。
歯を失う90%の原因で、歯の二大疾患であるむし歯と歯周病。そのむし歯や歯周病を発症する前の潜伏期、またはごく初期の病気のうちに発見し、治療と予防をすれば、自分の歯を生涯、健康に保つ可能性が高くなります。
そこで、私たちは、科学的できめ細かな診断をしたうえで必要であれば最小限の治療を行い、予防の為の目標と方法を具体的なプログラムとして作成します。
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)とは
PMTCとは「プロフェッショナル・メディカル・トゥース・クリーニング」の略称です。歯科医師や衛生士が専用の機器を使用し、お口の中を徹底的にクリーニングします。
お口の中に潜んでいるむし歯菌や歯周病菌は、食べカスを餌にしながら増殖します。そして、細菌の塊である「バイオフィルム」を形成します。お口のネバつきの原因になるバイオフィルムは、歯磨きで落とすことができません。
そのまま放置していれば、むし歯や歯周病など、様々なお口トラブルを引き起こします。そんなバイオフィルムを効果的に除去できる手段がPMTCです。
PMTCはバイオフィルムだけでなく、歯石や着色などの歯磨きでは除去するのが難しい汚れを落とし、お口の中を清潔にします。クリーニング後の歯の表面はツルツルし、細菌が付きにくい状態が続きます。そのため、むし歯・歯周病予防に繋がるのです。
PMTCの流れ
STEP1.検査・診断
歯と歯茎の状態を診察します。また、PMTCによるビフォーアフターを患者さんにお見せするために、口腔内を撮影します。
STEP2.歯石除去
スケーラーと呼ばれる専用の治療器具を使用し、歯や歯周ポケット内に付着した歯石を丁寧に除去します。
STEP3.歯面清掃
研磨剤を歯に塗布し、カップやチップ、ブラシを装着した機器で歯をクリーニングします。歯と歯の間、歯の表面や歯肉を傷つけることなく、汚れを徹底的に落とします。
STEP4.仕上げ
研磨によって歯の表面が滑らかになります。使用する専用の薬剤には歯のトリートメント効果があり、歯の着色や細菌の付着を防ぎ、むし歯や歯周病を効果的に予防します。
仕上げをおこなった後は、正しい歯磨きの仕方や簡単にできるセルフケアをご紹介しますので、ご自宅でも日々の手入れを怠らないように気をつけましょう。